可能な物語

箸を噛んで折ってしまった。かなり長く使ってたのでくやしい。いいことがない。
死なないでいるといくつか考えることがあって成人式にでなかったことや修学旅行でディズニーランドを選ばなかったことなどを思い返すことがある。これらはそうじゃない選択肢はありえないんだけど、何回かそうしている事を考える。その選択肢を選ぶ前に複数の私にとってありえないことが起きないとやっぱりないので無いものはやっぱり無い。自分の意志でそうしていたなら私は私じゃないくらい今と違っているだろう。それを認識することも出来ないだろう。
君の名はは起きてしまった大災害の被害をなくしたい、なくしたかったという無念な思いを肯定し慰撫する話で、それはやっぱり無理なんだけど、そういう可能性を夢想し考えている間だけは少しだけ悲しみから自由になれる、という話と考えることも出来る。
そういう話じゃないけど、ざっくり言ってしまうと現実にはありえない物語だ。でも物語ってたまにそういうものもある。
あの不自然な結末のせいでこの世の何処かで大災害が起きているかもしれない、とか考えるけど、それに彼らが責任を負うこともない。