なさすぎ

会田誠の展覧会では女の子が手足を切られている絵より同人誌が無許可で切られて素材にされている方が問題だと私は思うが、そんなこと言ってる人は殆どいない。
同人誌ならともかく美術館であんな表現はいけないとか言い出す人まで現れて、ついうっかり芸術よりも大きな表現の自由を獲得しながら、同人誌は徹底的にその存在や、同人作者の著作権を無視されている。
そもそも森美術館は今までの抗議にもかかわらずカオスラウンジグッズを今でも販売し続けているんだから今回も抗議に負けないだろう。権威と権力で弱者の声を今までどおり踏みにじるだろう。腐臭漂うバブルの塔のブルジョア向けの美の殿堂。
私は彼の絵にあんまり魅力を感じない。ワタが出ていながら血が出てなかったり、死んだ目をしていたり、表情になんのフェティッシュも感じない。別にそういうものじゃないんだろうけど。ビレッジバンガードとかに並びそうな、という感想しかない。オタクとは最も関係ない狭義のサブカルに近いと思う。あれとオタ絵を同じに見る審美眼はどうかと思う。それを同一視する評論も雑すぎる。
サブカル的脱臭が彼女たち反ポルノ団体には通じなかったんだろう。
そして全員半笑いなのは変わらない。今更会田誠がいかに芸術なのか説明なんて誰もしない。勉強してくださいさえない。
31日まで抗議の署名を集めていたらしい。正攻法だ。
小説の同人誌、詩の同人誌はきちんと存在を認められる。インディーズで、CDRで楽曲を売るバンドも。
漫画の同人誌だけは極端に無いことにされている。エロ漫画を描いた人がいて、馬鹿にされて、無視されている。
私は絵の中の女の子に同情するのと同様に、同人誌の作者に同情する。