スズキさんの休息と遍歴を読んだのはドン・キホーテを読む前だった。これではじめてカリオストロの城に出るシトロエン2CVの全共闘世代における意味を知った。
修道院帰りのお姫様はフランスの車に乗りドイツ車に乗った悪者に追いかけられイタリア車に乗った泥棒に救われるわけだ。その意味についてはすでにユリイカ大塚康生特集号かホリデーオート外車特集号に誰かの論文が載っていて十全に語られていると思う。たぶん。
黄金の七人を見たのはルパンを見た後だったし、フライシャーのスーパーマンをネットで見たのはさらばとラピュタを見た後だった。エヴァでも遡って元ネタを見たりした。
逆の順番で見ていたらどう思っただろうというのはちょっと想像するのが難しいんだけど、何度か考えたことがある。
作り手側の想定する教養を備えた層とそれがない層によって受け取られかたは違う。
作り手と受け手が一世代位違う場合にはつねにこの順番違いが起きる。もうそういった感性や解釈枠組みが出来た上で元ネタを確認する、というのは、ちょっと不幸なのかもしれない。
しかし正しい順番なんてないのかもしれない。