偽ビール

ビールと納豆がどこにも売っていない。
また天がどうとか言ったらしい。彼は意味が無いことに耐えられないのかも知れない。条理が好きらしい。無意味に不条理に多くの無辜の人が死んだからこそ悲劇なのに。現実の他者の死を物語化せずにいられないのは不遜というかおそろしく繊細さを欠くというか、およそ小説家らしくない。
嫌なのは多分また、まだ続くことだ。茶番が、問題発言が、想像力の無さが、他者の不在が。
ビールが飲みたい。偽ビールは売っていた。