宇宙一進んだ理論

奇妙な縁で高名なコレクターや若手アーティストと何回か一緒に飲んだ。30年後誰がこの仕事を続けているんだろう、とよく考える。
グロ画像をコラして絵の具を重ねてアートと言っている人の作品があった。もちろんネットで拾えるものを寄せ集めている。昔と比べて格段に簡単にグロ画像が手に入る。とても安易で考えなしで、まるでよくある駄コラのように感じる。
グロ画像、死体写真を掲載するリスク、諸問題はネットに押し付け、素材として盗用し、芸術に昇華した側は一切の議論から無関係でいられると思っている。
不思議なのはそれぞれの場所での意味付け、例えば死体写真を撮ることが徳のある行為とされている国、あるいは嫌がらせで貼る掲示板の荒らし、などを一切無視して、インパクトだけ搾取することで平気な精神性だ。死体写真には死んだ人がいて、その人には意志があった。遺族にも意志があるだろうによく無視出来るものだ。
アートにはたたりも社会性もない。どれだけアホが作ったジャンルなんだろう。
聞いた話では美術理論とは宇宙一進んだ理論なので縁なき衆生は従わざるをえないらしい。
笹山直規の作品とその元ネタ。