電車の中での化粧

女性が電車の中で化粧をすることが何故それを見ている人にとって不快かという話で昔読んだ文章が面白かった。
その女性は化粧をしなければいけない場所に向かっている。化粧をしていないと失礼に当たる仕事をしている。だけど電車の中で化粧をする。その行為をもし仕事場で、電車を降りて出会う相手に見せたら失礼になるのに。
つまり仕事場で出会う可能性のある人が絶対にここに乗っていないと考えている。その見下し方が嫌だ、というものだ。
私は本来電車に乗る階層の人間ではない。もしくは私は電車に乗る可能性のない人のために化粧をしている。どちらにせよ彼女の価値観の中心は電車以外の世界であり、今ここを、電車という公共空間を重視していない。何様のつもりだという感じ。
とはいっても最近の電車ではほぼ全員がスマホを見て意識において今ここにいない。電車移動をしているという事実に注意や関心を持っているのは初めて乗る人か電車好きくらいでだれもが周りはどうでもいいように見える。見下したければ見下せばいい、本当のおれはここにいない、という感じ。隣で化粧をする人にも関心がないかのようだ。
今でもこんなに嫌われていると知ってみんなわりと周りを見ているんだと意外だった。