ありがとうと言わなくていい理由

車椅子の人が手伝ってくれた人にありがとうと言わなくていい理由はいくつかある。先ず本人がめんどくさい。一日百回言わなくてはならない。死ぬまで。それは嫌になるし、言い続けたら精神的に負担になりそうだ。何年か立つとなんの意味もない言葉として言うようになるだろう。

ありがたいの原義は有り難い、存在することが難しい、まれである、そのような行為に感謝する、ということらしい。だけどそういう社会は望ましくない。車椅子の人に手助けをすることが当たり前なら礼はいらない。たとえば健常者同士がすれ違うときに体を傾けても、傾けられても、ありがとうと言われる筋合いも、言う必要もない。そのような社会であるべきだ。

ありがとうと言われなくてもいい理由もある。善行を施し感謝の言葉を求めるのは良くない心性だ。いろいろな宗教で禁止している。