文化人が昔住んでいた家

椎名町から新宿まで歩く途中に昔の文化人の住居を示した看板があって、漠然と考えたことがあった。
まるで戦後は文化人が生まれていないかのようで、その断絶はなんだろうと。
私がかろうじて何人かを知っているのは両親がその名前を出していたからで、そうじゃない人にとってはなんでもない。ある小説家の生家、博物館はアニメの登場人物の家に設定されていて、私はそれで知った。そのうち何でもない人が増えていく。こんな形の遺産はトキワ荘くらいが最後なのかもしれない。
価値がフラットになることで被差別文化としてのサブカルチャーも、偉い物書きも絵かきもいなくなってしまったんじゃなかろうか。
住居を出して文章を書くことにメリットがない。殺される危険もある。