終わる話

月曜の深夜のラジオをようやく聴き終えた。自由な時間が少ない。
今読んでいる小説にも終戦の日の描写が出てくるが、今までにいくつも似たような描写を読んできたが、読んでいて思ったことがある。
おそらくこの種の描写は十年くらい前に賞味期限が切れている。どこかで断絶している。体験した人間が過半数を割っているうえに次世代が多様な価値観を持っている。こう思ってもらいたい、感じてもらいたい、という前提がかなり違う。
他人ごととして、歴史として読む世代が出てきている。そもそも読まない人のほうが多いかもしれない。
終戦のローレライを読んだときに受けた衝撃は実はそういう事だったのかと、生まれる前に出版された小説を読んで分かった。決定的な、圧倒的な、特殊な出来事、から歴史の中の一つの、ある国の、ある終戦の形、という位置への降下。