歩いて帰る

今回の地震で被災された方々の一日も早い回復をお祈りします。
私は品川で、屋外にいたときに地震にあった。ちょっと大きいな、と思ったら立っていられないくらい揺れて、ちょっとよろめいた。
帰ることになってバス停にいると、四〇分待ってもまだ来ないという人の話を聞いて駅まで歩くことにする。
一番近い駅に行く前にコンビニに寄ってみると、パンや弁当などが何もなかった。五時くらいのことだ。うきうきする、だの酒でも飲みたい気分、だの言う人がいてうんざりする。人が死んでるのに。この時点で私は三人死んでいると聞いていたが、もっと多くなるとも思っていた。
私鉄の駅に着くと全部の鉄道が止まっている、と聞かされる。京急なら動いているんじゃないか、とか考えたけど、諦めた。
品川に向かって歩いていたが、どうせ電車は動かないしバスも信用ならないので歩くことにした。山手通りに沿っていけばうちに着く。
良かったのは一回品川からうちまで歩いたことがあったことだ。コミケの後で飲み過ぎて、品川から山手線に乗って池袋に行こうとしたら、寝てしまい、終電になっていて終点の品川に着いていた。何周したんだろう。
あの時も六時間かかって歩いて帰った。
ツイッターでいろいろな場所が臨時に解放されている事を知るが、歩き続ける。休息してください、お茶とお菓子無料、という貼り紙のあるおしゃれなオフィスもあった。気持ちだけありがたくいただく。
旧山手通りと山手通りのつなぎ目あたりでどこにいけばいいのか分からなくなって交番があったのでお巡りさんに聞く。
丁寧に教えてくれた。他にもたくさんの人が道を聞いていた。山手通りは歩行者も一杯だった。車も渋滞していた。まったく同じバスと長い間並んで歩いた。バス停で待っている人に満員です、といってそのまま行ってしまう。
がっかりしている人に私は言ってあげるべきだっただろうか。私はこのバスとバス停三つくらい並んで歩いてますよ。歩いたほうがいいですよ、と。
車の流れを見ていれば分かることをわざわざ言うこともないかなと、そのまま通り過ぎた。
前に歩いた経験から、渋谷までは大丈夫だけどそこを過ぎて新宿位からきつい、と思っていた。が、前より辛くなかった。道が分かっているのが精神的に大きいのかも知れない。
なんとか一二時前に家にたどり着いた。部屋に散乱した本や色んなものを片付けて、あらためてネットで地震の被害の大きさを知った。想像以上だった。