否定形を描く

某所でうる星やつらの話があって、それはそうと全く別件で個人的に思いついたことがあった。

原作者がビューティフル・ドリーマーを許せなかったのは作中であたるがラムに好きだといったから、という話があって、昔は何だそんなことか、と思ってたんだけどだんだんその重さがわかってきた。あたるはそういうことを言わないキャラ、というのは絶対的な決め事で、わりとなんでもありな作品世界で変えちゃだめな部分なんだろう。

それは彼に内面があることにほかならない。そしてある言葉を言わないという事実は描きにくい。

あんまり関係ないけど平成ガメラでは亀がいない世界で起きた事と言う設定(らしい)なので、誰もあれを見て亀だと言わない。登場人物の誰も亀という語を口にしない。が、亀がこの世にいないという事実を描くことは難しい。絵は否定形を描けない。亀がいない絵は描けても亀がいないことを示せない。同様に作中には象もマルハナバチドードーもいないが、その不在には意味がない。

考えたことはまだあるがわりとどうでもいい。