大正六年の非実在恋愛

ネットが出来ない環境になって、ひまだったので本を読んだ。一番面白かったのは芥川龍之介の片恋というとても短い短編だ。
主人公は友人の志村が岡惚れしていたお徳という女中と、横浜の宴席で再開する。片恋していた志村を振るなんてひどいとからかうと、私も別の人に片恋をしていた、と意外な告白をされる。
彼女は名前も知らない外国人俳優に惚れていた。映画のスクリーン上で。何回も見に行って、そのうち会えなくなって、久しぶりに再開したら(映画が)悲しい結末を迎え、恋が終わったと悲しんだ。
昔読んだなら印象は違っただろうけど、ラブプラスとかが平気である時代に読むと面白さもひとしおだ。
ネットはようやく開通した。なんかつなぐ機械が初期不良で交換してもらった。