「が」が付く理由

踏切で隣り合った親子の会話が聞こえてきた。九九を習ったばかりらしい子どもが、なんでににんがしとかに「が」が付くのか、「が」のつく九九をあげて聞いていた。
何で疑問に思ったときに先生に聞いて来なかったの、と母親は言って、答えを教えはしなかった。
私もあの子と同じ頃同じことを疑問に思った。
彼は答えが十以下の時にがが付く、ということには気づくだろうか。そこで探求は止まるだろうか。
結局は算数じゃなく国語の、つまりは語呂の問題だ。が、だけじゃなく、なぜににじゃなくににんなのか、さんさんじゃなくさざんなのか。九九でしか使われない数字の読み方があるんだから、九九は掛け算を暗記する方便であって、そのためにがも入るんだろう。はちしちごじゅうろくよりもはっぱろくじゅうしのほうが圧倒的に覚えやすい。はっぱ。ろっく。
小学校のころ転校生が九九を言わされて、イントネーションが違うんだけどいいですか、と言って、一箇所音程がおかしい九九の何かの段を言ったことがあった。みんなくすくす笑った。
いや、それくらいこっちにあわせろ、と当時は思ったが、そんなことしたら九九自体が危うかったのかも知れない。
何で五七調が好きなんだろうってのは良く分からない。