撤退戦

都条例が通っても成年向けはあまり変わらないだろう。昔から桜田門に呼び出され、多めにふっかけて値切られ、一回指定を食らうと次におとなしくして、たまに本気で怒られる。問題は性器か写ってるかどうかに過ぎない。道徳は関係ない。基本大人が見るものなので。
困るのは黒になってしまう広大なグレーゾーンだろう。とりうる方策は
①成年マークをつける
表現は今以上に自由になる。ただし子供の読者を失う。
②付けずに怒られないような漫画を描く
描くたびにビクビクして子供向けに薄めたものを描く。
ここで粘るのは難しい。言い訳や注意書きページを大きくする、とか、作品レベルでの改変をする、とか。
それが通用するのか。何がどうなるか見当もつかない。警察は厳密には誰も守れないような法律を薄く広くかけておいて、恣意的に逮捕できるようにしておくのが大好きらしい。
実際にはどうなるか。気骨のある本屋が子供に売るだろうか。
表現の自由で争うのも難しいだろう。子供をどう育てるかの話なので。
官憲が手を下すのではなく、民間がやるだろう。どこまでかは分からないが。
魔女裁判でもでも魔女を実際に殺すのは「世俗の腕」だった。
③リージョンコードをつける
都条例に違反していますマークを付ける。都内の子供の市場は失うが表現は守られる。
県境の書店は越境した子供で賑わうだろう。ジャンプ買ってきてと多くの親が頼まれる。
表現か流通(市場)どっちを取るかといえば、これもありかもしれない。
負けたときのことを考えるのは敗北主義者かもしれないが、どちらの陣営もなんだか極端な未来予想をしていたので、私もやってみた。
どの場合でもいくつかの出版社は施行前に本社を名目だけでも都内から移すだろう。国外かも知れない。