予定外

行きに降りるバス停を一個寝過ごした。帰りには降りる駅を一つ降りそこねた。寝ていたわけではないのにぼーっとしていて、次の駅まで行った。対面式のホームだったので階段を降り、何か面倒くさくなって降りることにした。島式のホームだったら反対に行く電車に乗っただろうけど、階段を登るのも嫌になった。
改札のすぐ手前で、女性が何かにつまづいた。彼女はそのまま出て行った。私は彼女のつまづいたあたりを見ると、白いイヤホンが落ちていた。
それを拾って駅員に渡そうと思って、改札を出ようとすると、イヤホンが…と駅員に言っている人がいた。
これですか、と拾ったイヤホンを渡すと、そうです、ありがとう、と彼は受け取った。
なんとなく、このために一駅乗り越した運命だったのかもしれないなどと考えて面白かった。つまらない運命だ。
出先でも予定外のことが多くて、そんな事を考えてしまった。