無駄記憶

カントのアンチノミーで思い出すのはある団地にあった二つのローラーを使って洗濯物を絞る仕組みのある洗濯機だ。特にアンチノミーの内容とは関係がない。その本を読んでいた頃の思い出がそれで、多分当時中学生だった。同じように哲学用語と結びついた無関係な風景の思い出がいくつかあるんだけど、多分どれだけ難しいことが分かるかに図書館で本を借りては挑戦していたせいだと思う。
その結果理解は出来ないけどそれについて考え続けながら友達と遊んでいるうちに術語と場所の記憶が一緒になってしまった。日本語で書いてあるんだから分かるはずだと闇雲に読んでいた。
なので大学に入ってからああ、あの時の、と風景を思い出すんだけど特に理解の助けにはなっていない。
何事にもせんだちはあらまほしきものなり。