半熟なんとか

半熟卵の半熟という言葉は面白い。時間に逆行している。熟すと普通の果実は柔らかくなるが、ゆで卵は時間経過によって固くなる。完熟に近いのは生卵であって、未熟と呼ぶに相応しいのが固ゆで卵だ。半熟のところで交差するグラフを想起できる。時間と熟し度を軸にしたグラフだ。
最近駅構内で半熟なんとかという菓子が売っていてそんなことを思った。食べてはいない。
半熟という状態を目指しているんだからその両側、完熟と未熟は気にしなくていいんだろうけど、ましてや時間の方向などどうでもいいんだけど、昔から半熟という言葉は気になっていた。まさか菓子という結構な人工物にまで熟すという概念を持ってくるとは。熟カレーあたりで予想できたことなんだろうか。