かもしれない

美大コンプレックスのあった友人がいた。彼はまるで美大生のようだった。
仮に美大に入っていたら私と会うこともなかったし、話すこともなかっただろう。まあ、私が彼の人生に影響を与えたかどうかは分からないが。私は彼のことを時々思い出す。しばしば考える。
シュタゲのラストシーンを見てぞっとした。何かが少し違っただけであの街も私たちの扱いも大きく変わっていたかも知れない。あのテレビドラマがなければ、あのアニメがなければ。可視化されることもネタにされることもなく、普通に生きていたかも知れない。
死んでいたかも知れない。