物語的な説明

プリーストの奇術師に、こんな一節があった。人体消失や瞬間移動などの大掛かりなマジックを行う手品師は、必ず前座や幕間にクロースアップマジックも行う、と。カードトリックをやったりコインを消したりしてみせて、普通の手品も出来ることを十分に分からせる。そうしておかないと、観客や同業者に大道具やスタッフに合図を出すただの司会の人だと思われてしまう。
ピカソがどうすごいのか分からないという人への説明でよくあるのが、彼は普通の、写実的な、ちゃんとした絵も描けるし、描いていたんだ、と言うものだ。専門家にとっては素朴すぎるかも知れないが。
勤勉さや分かりやすい才能と並べられて初めてぶっとび方が評価される。私も素人なのでそういう物語的な説明が腑に落ちる。
今回の現代アートへの感情的な反発は、彼らがちゃんと絵を描いていない、(ように見える、)というところにも根があると思う。自分で絵を描くことへの憧れがない、というのは、描ける人が言って初めて様になる。ニコニコドラゴンを丁寧に今の自分の絵柄でリライトしてみたらフタバミンの心象はきっとよくなるだろう。
法的には頑張ってください、としかいえない。
玄米茶さんのように論理的に相手と渡り合える才がうらやましい。
左翼や現代アートファンが多いはてダで、たまたま当該スレにいた原住民でもあったので、インフォーマントとして、いくつか文章を書いた。代表することの出来ない集団、代弁者のいないキャラのために、読んだ人の情に訴える方法しか思いつかなかった。かつ、多くの人に読まれないで欲しいという矛盾した言い草。
そもそも怖いので他人と対話したくない。