村上隆の本が売れるのはやっぱりキャリアポルノ的な売れ方なんじゃないだろうか。おっさん世代のなかには若い者を説教したいという欲望があってそれを疑似的に体験したいから彼の著作を読むことで溜飲を下げているのかもしれない。
彼の問題意識や提言を真に必要としている人は多分日本に百人もいないし、読んでいるのは美術業界関係者じゃないかもしれない。そして彼同様の意識があるなら読むまでもないだろう。
説教好きおっさん層に売れているのなら美術界も非美術界も別に何にもならない。何の影響もない。
そしてクリエイティブコモンズジャパンの人が東浩紀や村上隆のファンだというのはやはり気持ち悪い。彼ら経由で二次創作や同人文化を理解、誤解し、それらから搾取したい人に有利な制度を作りたいというのならやっぱり遅かれ早かれ梅ラボを連れてきて著作権の勉強をしましたけどCCJの公式の見解ではありません、なんて言いだす失態を犯す下地はあったんだろう。
代表し、再現前し、言葉にすると同人やオタクはサブカルとして語られてしまう。表皮が角質化して爪になるように本来性を無くしてしまう。
その表象することの困難さや彼らの謎の創作動機を軽視し利潤だけ欲しいというのは気持ち悪い。気持ち悪いとしか言えないのがもどかしいが。
クリエイティブ・コモンズ・ジャパン理事 ドミニク・チェン『現行の著作権法を尊重した上で、最終的には著作権とかなくなったらいいなーと思う』 - Togetter