戦後民主主義のあれ

未来少年コナンの2話を見た。モンスリーとおじいの会話あたりで泣いた。歳のせいで涙もろくなっていて、戦争は女の顔をしていないでも泣いた。

モンスリーたちが大きな戦争の後になお銃を持っていることをおじいは非難するが、モンスリーたちは世界を滅ぼした戦争をした世代を批判する。どちらもそのとおりだし、戦後民主主義のあれだ。

宮崎駿は少年期に終戦を経験した、戦前の教育と戦後の教育を受けた世代だ。のこされ島の人たちの生き方は日本の戦後復興を擬していると見えなくもない。価値観は両方にまたがっているし、分裂しているし、矛盾している。

前世紀にあった世紀末ブーム、アポカリプスブームは今思うと敗戦を強く反映していたし、未来を想像しろと言われて私達が多くの場合文明崩壊後を思い浮かべるというのは昭和の世代だからだ。そして戦後民主主義は今この体たらくだ。だから泣いた。

戦争は女の顔をしていないで泣いたのはそれがその後どうなったかを知っていたからだ。多分出版された直後に訳されてその時読んでいたら違う感想だったかもしれないが、悲しくて泣いた。その死に、生き方に、意味があったと思えないことに泣いた。